普段と違う目覚めを迎えると、わけもなく不安にかられる。
絶対に自分より早く起きることのない千陽の姿がそこになくて、こんなに早い時間に帰ってしまったのかと少し寂しさを覚えた。
「ちはる・・・?」
誰もいない空間に呼びかけてみても返事はない。部屋の中を見回すと、彼の荷物がまだそこにあることにホッとして、リビングに通じるドアを開けた。
そこには、蹲るようにしゃがみ込んで床に広げたものをじっと見つめる千陽の背中があった。
「なにしてんの?」
「ん・・・ おはよう」
振り向きもせず、機械的に返された挨拶に、彼の視線の先に目を移す。そこにあったのは、床一面に広げられた俺の下着だった。
「おまっ・・・ なに広げて見てんだよ!」
「やっぱ、これじゃダメだよなぁ・・・」
尋ねたことには応えず、深いため息を繰り返す。
「だから、なにしてんだって。早く、それしまえ! なんだって朝っぱらから人の下着、広げて見てんだよ!」
奇怪な行動は今に始まったことじゃないが、この時はさすがに参った。千陽に下着を見られて恥ずかしいなんてことは今更なかったが、それでも、リビングの床に広げられて物色されていると、羞恥心が湧き起こってくる。しかも、真剣にそれを覗き込んでいるのだ。
「買うしかないか・・・ よし!買いに行こう!」
ひとしきり呟いた後に意を決したように立ち上がると、振り向いて、早くシャワーを浴びて来いと俺をその辺にあった一枚の下着と一緒にバスルームへ押し込んだ。
なに考えてんだ? 人の下着を前にして、ダメだとか、買うしかないとか。新品ってわけでもないが、かと言って人に見せられないほどヨレてもいないぞ。
なんだか、無性に腹が立ってきた。
だいたい、千陽は態度がでかすぎる。まだ高校生のガキのクセに偉そうに人に命令して、勝手に泊り込んでいる。最近では、いくら帰れと言っても三日に一度も帰らない。親だって心配しているだろうに、大学受験はどうするつもりなのか。
「彬志さん、まだ?」
「煩い! 今でる。」
何をそんなに焦っているのか、たった十分くらいのシャワーぐらい待てと言うんだ。
バスルームから出ると、早く着替えて支度をしろと、急き立てられた。朝食もまだだろうと言い返したら、途中で食べればいいと玄関から俺を引きずり出す。
マンションの前には既にタクシーが迎えに来ていて、そこに押し込めると駅へ向うよう指示した。
「・・・・って、なんだって新幹線なんか乗ってんだよ。」
「買い物に行くからに決まってんじゃん。」
「は?! どこの世界に、無計画に、思いつきで、新幹線で買い物に行く学生がいるんだ?! 買い物なんか近所で間に合う。」
「ダメ! 普通のしか売ってないもん。」
車内に人が少ないのをいいことに、激昂と共に声が高くなっていくのを抑えられなかった。
「普通って・・・ なに買うってんだよ。」
「彬志さんのパンツ。」
「パっ! ・・・・はぁ?!」
呆れた俺に千陽はこう言った。
「俺、夢見たんだ・・・ 彬志さん、仕事先ですっごく困ってて、だから、見てみたら、確かに地味だし・・・」
意味がわからん!
とにかく、わかるように話せ、と俺も深呼吸しながら気を静めた。
ようやく千陽は初めから話し出す。
曰く、ある朝、俺が出社すると、オフィスの連中はみんな下着姿だったらしい。女性はブラとパンティで男はパンツにネクタイ。しかも、みんなお洒落な下着で決めていたんだそうだ。なのに、俺は普通の、しかも地味な下着しかはいてなかったので脱げないと言って困っていたらしい。ひとりだけワイシャツを着込み、スラックスを脱げなかったことで、みんなにひやかされ、笑われていたんだそうだ。
そうか・・・ って思うか!
「バカか?!おまえ! どこの世界に夢見て現実とごっちゃにしてパンツ買いにわざわざ新幹線に乗り込むやつがいるんだ。だいだい、オフィスで裸ってあり得ないだろう。」
「だって、本当に彬志さんのパンツ地味だし、普通すぎだし、おもしろくもなんともない。もし、どっかで脱がなきゃなんなかったら恥ずかしいじゃん。お洒落なのだって必要だよ。」
頭がクラクラしてきた。
「それに、俺だってたまにはセクシーな下着で迫って欲しい・・・」
俯いて呟いた千陽がちょっと可愛かった。車窓から差し込む朝日に照らされて髪が金髪にきらきらと輝く。日焼けした顔はまだ少年の面影が残っていて、俺よりずっとがっしりとした体格も小さく見えた。
考えてみれば、千陽と遠くに出かけるのはこれが初めてだった。約束したスキー旅行は俺の都合でダメになってしまったし、来年はこいつも大学に入るんだろうし、俺も今度はどこの店に飛ばされるかわからない。離れ離れになるかもしれない。
ちょうど通りかかった車内販売でサンドウィッチとコーヒーを買うと、俺は千陽の耳元にそっと囁く。
「じゃあ、お前がうんとセクシーなやつ選べよな。」
振り仰いだ千陽が嬉しそうに笑って抱きついてくる。そのまま唇を塞がれ、濃厚なキスを交わされた。公衆の面前ですることじゃないと怒鳴りたかったが、あいつのくれたとびっきりの笑顔に俺はそれを許した。
久城千陽、俺の最高の恋人。
ずっと一緒にいような。
END
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
すみません!m(__)m
おちません(ダラダラ)
くだらなすぎて、呆れられてるのが目に浮かぶ・・・ うっ・・・
先日、木村氏(S○AP)の新しいガム(だっけ?息スッキリってやつ)のCMを某ワイドショーで見ていたら、つい、ふらふらっと妄想が・・・
これって、著作権法に触れる?
見た瞬間、千陽が見そうな夢だな・・・と(苦笑)
あれって、ゲイ好きにはたまらない?
そんなオフィスがあったら覗いちゃう?
でも、現実的には、気持ち悪いだろうなぁ。
だって、メタボもパンツとネクタイなんでしょ?ゲンナリ↓
あ、これがお約束の『おまけ』じゃありません。
一応、エロがなかったことの反省のおまけの予定なので、そっちはちゃんと(?)・・・
とりあえず、更新が進まないということで、お詫びのおまけってことで・・・(汗々)
と言うわけで、笑っていただけたら幸いです。
今回は面白かったよ(笑)と思っていただけましたら、↓や→をぽちっといただけますと、飛び上がって大喜びいたします。おまけの原動力にもなりますので、よろしくお願いします。
お付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m
絶対に自分より早く起きることのない千陽の姿がそこになくて、こんなに早い時間に帰ってしまったのかと少し寂しさを覚えた。
「ちはる・・・?」
誰もいない空間に呼びかけてみても返事はない。部屋の中を見回すと、彼の荷物がまだそこにあることにホッとして、リビングに通じるドアを開けた。
そこには、蹲るようにしゃがみ込んで床に広げたものをじっと見つめる千陽の背中があった。
「なにしてんの?」
「ん・・・ おはよう」
振り向きもせず、機械的に返された挨拶に、彼の視線の先に目を移す。そこにあったのは、床一面に広げられた俺の下着だった。
「おまっ・・・ なに広げて見てんだよ!」
「やっぱ、これじゃダメだよなぁ・・・」
尋ねたことには応えず、深いため息を繰り返す。
「だから、なにしてんだって。早く、それしまえ! なんだって朝っぱらから人の下着、広げて見てんだよ!」
奇怪な行動は今に始まったことじゃないが、この時はさすがに参った。千陽に下着を見られて恥ずかしいなんてことは今更なかったが、それでも、リビングの床に広げられて物色されていると、羞恥心が湧き起こってくる。しかも、真剣にそれを覗き込んでいるのだ。
「買うしかないか・・・ よし!買いに行こう!」
ひとしきり呟いた後に意を決したように立ち上がると、振り向いて、早くシャワーを浴びて来いと俺をその辺にあった一枚の下着と一緒にバスルームへ押し込んだ。
なに考えてんだ? 人の下着を前にして、ダメだとか、買うしかないとか。新品ってわけでもないが、かと言って人に見せられないほどヨレてもいないぞ。
なんだか、無性に腹が立ってきた。
だいたい、千陽は態度がでかすぎる。まだ高校生のガキのクセに偉そうに人に命令して、勝手に泊り込んでいる。最近では、いくら帰れと言っても三日に一度も帰らない。親だって心配しているだろうに、大学受験はどうするつもりなのか。
「彬志さん、まだ?」
「煩い! 今でる。」
何をそんなに焦っているのか、たった十分くらいのシャワーぐらい待てと言うんだ。
バスルームから出ると、早く着替えて支度をしろと、急き立てられた。朝食もまだだろうと言い返したら、途中で食べればいいと玄関から俺を引きずり出す。
マンションの前には既にタクシーが迎えに来ていて、そこに押し込めると駅へ向うよう指示した。
「・・・・って、なんだって新幹線なんか乗ってんだよ。」
「買い物に行くからに決まってんじゃん。」
「は?! どこの世界に、無計画に、思いつきで、新幹線で買い物に行く学生がいるんだ?! 買い物なんか近所で間に合う。」
「ダメ! 普通のしか売ってないもん。」
車内に人が少ないのをいいことに、激昂と共に声が高くなっていくのを抑えられなかった。
「普通って・・・ なに買うってんだよ。」
「彬志さんのパンツ。」
「パっ! ・・・・はぁ?!」
呆れた俺に千陽はこう言った。
「俺、夢見たんだ・・・ 彬志さん、仕事先ですっごく困ってて、だから、見てみたら、確かに地味だし・・・」
意味がわからん!
とにかく、わかるように話せ、と俺も深呼吸しながら気を静めた。
ようやく千陽は初めから話し出す。
曰く、ある朝、俺が出社すると、オフィスの連中はみんな下着姿だったらしい。女性はブラとパンティで男はパンツにネクタイ。しかも、みんなお洒落な下着で決めていたんだそうだ。なのに、俺は普通の、しかも地味な下着しかはいてなかったので脱げないと言って困っていたらしい。ひとりだけワイシャツを着込み、スラックスを脱げなかったことで、みんなにひやかされ、笑われていたんだそうだ。
そうか・・・ って思うか!
「バカか?!おまえ! どこの世界に夢見て現実とごっちゃにしてパンツ買いにわざわざ新幹線に乗り込むやつがいるんだ。だいだい、オフィスで裸ってあり得ないだろう。」
「だって、本当に彬志さんのパンツ地味だし、普通すぎだし、おもしろくもなんともない。もし、どっかで脱がなきゃなんなかったら恥ずかしいじゃん。お洒落なのだって必要だよ。」
頭がクラクラしてきた。
「それに、俺だってたまにはセクシーな下着で迫って欲しい・・・」
俯いて呟いた千陽がちょっと可愛かった。車窓から差し込む朝日に照らされて髪が金髪にきらきらと輝く。日焼けした顔はまだ少年の面影が残っていて、俺よりずっとがっしりとした体格も小さく見えた。
考えてみれば、千陽と遠くに出かけるのはこれが初めてだった。約束したスキー旅行は俺の都合でダメになってしまったし、来年はこいつも大学に入るんだろうし、俺も今度はどこの店に飛ばされるかわからない。離れ離れになるかもしれない。
ちょうど通りかかった車内販売でサンドウィッチとコーヒーを買うと、俺は千陽の耳元にそっと囁く。
「じゃあ、お前がうんとセクシーなやつ選べよな。」
振り仰いだ千陽が嬉しそうに笑って抱きついてくる。そのまま唇を塞がれ、濃厚なキスを交わされた。公衆の面前ですることじゃないと怒鳴りたかったが、あいつのくれたとびっきりの笑顔に俺はそれを許した。
久城千陽、俺の最高の恋人。
ずっと一緒にいような。
END
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
すみません!m(__)m
おちません(ダラダラ)
くだらなすぎて、呆れられてるのが目に浮かぶ・・・ うっ・・・
先日、木村氏(S○AP)の新しいガム(だっけ?息スッキリってやつ)のCMを某ワイドショーで見ていたら、つい、ふらふらっと妄想が・・・
これって、著作権法に触れる?
見た瞬間、千陽が見そうな夢だな・・・と(苦笑)
あれって、ゲイ好きにはたまらない?
そんなオフィスがあったら覗いちゃう?
でも、現実的には、気持ち悪いだろうなぁ。
だって、メタボもパンツとネクタイなんでしょ?ゲンナリ↓
あ、これがお約束の『おまけ』じゃありません。
一応、エロがなかったことの反省のおまけの予定なので、そっちはちゃんと(?)・・・
とりあえず、更新が進まないということで、お詫びのおまけってことで・・・(汗々)
と言うわけで、笑っていただけたら幸いです。
今回は面白かったよ(笑)と思っていただけましたら、↓や→をぽちっといただけますと、飛び上がって大喜びいたします。おまけの原動力にもなりますので、よろしくお願いします。
お付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m
Comments
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お返事
蛍さま
コメントありがとうございます。
真正のばかっぷるです(爆)
ばかな子ほど可愛いって言うか、アホまるだしですよね(私が?)
おまけ2もなんとかUPしました。
でも、ご期待には添えられないかも・・・(滝汗)
コメントありがとうございます。
真正のばかっぷるです(爆)
ばかな子ほど可愛いって言うか、アホまるだしですよね(私が?)
おまけ2もなんとかUPしました。
でも、ご期待には添えられないかも・・・(滝汗)
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でも、こういうのも可愛くて良いです〜♪
まだおまけを書いて下さるのですよね?
楽しみにしてますv